関西家庭医療学センターとは
「関西家庭医療学センター」は、関西で家庭医・総合診療医を育成することを目的に設立された、滋賀県の「浅井東診療所」、京都府の「金井病院」、大阪府の「大阪赤十字病院」で構成される、北海道家庭医療学センターの姉妹プログラムの名称です。
家庭医養成で長年に亘り確かな実績をあげている北海道家庭医療学センター所属の指導医、松井善典医先生がプログラム責任者として研修全体をプロデュース。
家庭医に必要な症候・疾患の知識・技術+臨床推論の土台を作りながら、「家庭医・病院総合医として生きる(=生涯働き続けられるためのアイデンティティ形成)」ことを学びます。
「都市部郊外の中小病院」、「都心部の大病院」、「へき地診療所」の研修を組み合わせることで、多種多様な症例を、様々な規模・役割の医療機関で経験することができます。
2つのプログラム
関西家庭医療学センターには4年間で総合診療専門医と新・家庭医療専門医の受験資格を得られる「総合診療・家庭医療専門研修連動プログラム」と、総合診療専門医資格を取得した方が新・家庭医療専門医の受験資格を得られる「家庭医療専門研修プログラム」の2つのプログラムがあります。
総合診療・家庭医療専門研修連動プログラム
取得に4年を要するのが一般的な日本専門医機構認定「総合診療専門医」の受験資格を3年で取得。
+1年で日本プライマリ・ケア連合学会認定「新・家庭医療専門医」の受験資格も得られるプログラムになります。
プログラムの正式名称:
関西家庭医療学センター 総合診療専門医コース
関西家庭医療学センター 家庭医療学専門医コース
総合診療専門医資格取得者向け家庭医療専門研修プログラム
総合診療専門医資格を取得後に新・家庭医療専門医資格の取得をお考えの方や、事情により現在所属しているプログラムでは新・家庭医療専門医資格の取得が困難な方向けのプログラムになります。
金井病院で1年間、浅井東診療所で1年間の計2年の研修で、新・家庭医療専門医の受験資格が得られます。
教育環境
専門研修期間中に、着実な知識や技術を身につけるのは必要不可欠。関西家庭医療学センターにはそれが十分可能な現場と指導医陣があります。
しかし、個々の患者との一対一の関係を重視しながら診療をする総合診療医・家庭医にとっては、それだけで研修を終えるのは非常にもったいない。
これまで生きてきた中で積み立ててきた皆さんなりの医師としての価値観や人となりに、新しい色を書き加えたり、時には見直しながら組み立て直す。そのためにはどのようなことをすればよいのか?それをこの期間で是非身につけて欲しいという願いがあります。
この知識と技術を身につけることと、人となりの組み立て直しを体験すること、その二つを可能にする教育を関西家庭医療学センターでは用意しています。
一人一人の4年間を貫く指針となる
「目標設定と振り返り」
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研修スタート時点で指導医との対話の中で目標設定を行います
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様々な場面での振り返りはその目標を軸にして行われます
知識・技術と実践を高めるための
「レクチャーとフィードバック」
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総合診療医として重厚な経験を積んで来た指導医陣による疾患・徴候マネジメントのレクチャー
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姉妹プログラムの北海道家庭医療学センター指導陣による家庭医療の理論のレクチャー
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レクチャーを実際の診療に活かせることを重視したフィードバック
医師としての深みを知るための
チームでの「対話」
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行動を見ているだけでは触れられない内面や価値観を対話するチャンスが豊富にあります
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それぞれのキャリアを歩んだ多様なロールモデルの経験も知りながら、皆さん自身が振り返る機会になります
教育方略
家庭医療専門医としての能力を高めていくためには、単に症例や事例を経験するだけではなく、その経験を振り返り、指導医などからのフィードバックを受けて省察を深めていくプロセスを繰り返していくことが必要不可欠。
関西家庭医療学センターでは日本プライマリ・ケア連合学会が定めるポートフォリオをベースに、月2回のレジデントデイで症例を通した議論・振り返りの継続的なセッションを4年間切れ目なく実施。
系統講義、ポートフォリオ指導、評価方法などは北海道家庭医療学センターと連携しています。
結果、2021年度家庭医療専門医試験において最優秀賞とポートフォリオ優秀賞をダブルで受賞、2020年に開催された近畿家庭医療・総合診療専攻医ポートフォリオ発表会で、受賞者全員が関西FMの専攻医、もしくは、卒業生の教え子という快挙を成し遂げています。
また年3回、外部の指導医、専攻医、初期研修医、医学生も含めた勉強会やイベントを開催。
内部だけでなく、家庭医療・総合診療に携わる、志す全国の仲間とタテ・ヨコ・ナナメの関係を作れます。
指導医陣
診療所、中小病院、大病院と様々なセッティングで展開される家庭医療・総合診療・専門医療。
専攻医は、各医療機関でロールモデルたり得る指導医のもとで包括的な診療能力を育み、継続した省察的実践(振り返りから学習ニーズの把握や自己認識をし、自己学習や価値観の変容を行いながら成長する歩み)によって家庭医療の重要な価値観を学ぶことができます。